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現在、相続が発生したけども相続登記がされずに放置された土地や空き家が増えていて大きな問題となっています。
空き家になっている不動産を相続したので売却したい、不動産以外に相続人間で分けられる財産がないので不動産を売却して現金化し相続人間で分けたい等、相続した不動産をそのまま売却したいとお考えの方は多いでしょう。
そのような場合、遺産分割協議書の作成方法によって、不動産売却までの手続きの流れがガラっと変わります。
いずれの不動産売却方法にもメリット、デメリットがありますので、ご自身のケースではどちらのケースの方が最適なものなのか、比較してご検討ください。
被相続人から相続人全員(現金化した財産を分ける対象者全員)の名義へ不動産の名義変更をして、その後、不動産売却(現金化)し、遺産分割する方法です。
相続人間で確実に平均化して遺産分割したい、ということであれば、この方法が最も適切です。
確実に法定相続分どおりに遺産分割できる、という点です。
不動産の売却価格にもよるのですが、不動産取得時と比較して不動産売却価格が高額となっていた場合、譲渡所得税の申告が必要となります。
譲渡所得税の申告が必要となるケースにおいても、共有者となった各自が税申告し、各自において納税することになるため、代表者一人のみ負担が増えてしまうことがありません。また税申告をした後、一時的に所得が上がったとみなされ、住民税が例年よりも高額になる可能性がありますが、それも各自の状況に応じて上がることとなり、公平性を保つことができます。
不動産の共有者となった相続人全員が、不動産の売却手続きに携わる必要があるという点です。
単に書類に署名捺印すれば良い、というのではありません。
不動産の売買時に立ち会いをしなければならなかったり、立ち会いができないような場合は、不動産売買の登記を行う司法書士との事前面談(本人確認)が必要であったりします。
※事前面談(本人確認)の場合、その分の日当等が別途加算されることとなり、費用がその分高額になります。
不動産売買の立ち会い(決済)は通常平日の昼間に行なわれるものですので、会社員等、平日の日中に時間を割くことが難しかったり、遠方に居住する方がいたり、共有者の数が多数となる場合、全員の日程調整を行う必要が生じるので、その分大変になるでしょう。
不動産の売却によって利益が出るようであれば、売却の翌年、確定申告の時期に譲渡所得税の申告をする必要があり、譲渡所得税の納税が必要となります。
共有名義で不動産の売却をした場合、原則、共有者となっていた相続人全員が各自、住所地を管轄とする税務署に確定申告および納税をする必要があります。
不動産売却後の金銭を相続人間で分割する場合、一旦故人名義から相続人代表者名義に不動産の名義変更をするといった方法があります。
上記①の相続人複数名で不動産を共有する場合と比較して、不動産売却時に各種手続きに携わる必要があるのは、その代表者となった名義人一人のみでいい、という点です。
そのため、上記①の方法と比較して、不動産売却時に必要となる費用については最小限で抑えることができますし、日程調整も容易になります。
不動産取得時と比較して売却価格が高額となっていた場合、譲渡所得税の申告が必要となります。
申告をするのは売却に携わった代表者のみ必要となり、税申告後に代表者のみ所得額が上がったことで住民税が例年よりも高額になる可能性があります。
譲渡税を他の相続人と分割して支払うだけでなく、代表者自身の住民税額にも影響が生じるため、完全な公平性を求める場合は、あまりおすすめしません。
不動産取得時の価格が不明な場合、売却価格を参考価格として計算して譲渡所得の申告および納税を行ないます。
その申告は、一旦不動産の所有者となった代表者が一人でする必要があり、その人に対してのみ譲渡所得が課せられます。
また譲渡所得は、住民税の計算にも影響しますので、いつもの年よりも多くの住民税が課せられることになります。
実際に支払った譲渡所得税分を、相続人の人数で割って、各人に個別に支払ってもらうことも可能かと思いますが、毎年の分と比較して増額された住民税の負担までは、どれだけの金額が実際に譲渡所得税による加算分なのか、毎年全く同じ住民税であればその金額はわかるかと思いますが、そうでなければ計算方法がわかりにくく、他の相続人に負担してもらうことは実質難しいケースが考えられます。
どちらにすればよいのか、ケースバイケースで検討する必要がありますので、もし迷われるようであれば、お気軽にお電話やメールでご相談ください。
なお、当事務所では不動産のご状況によって、不動産売却のサポートも行っておりますので、よろしければ相続手続きとあわせてご相談ください。
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