解約制限付信託について

『相続・遺言ここだけの話』メールマガジンバックナンバー(2019年3月12日)

今回は、新しい形の預金口座について、

ご紹介させていただきます。

 

 


【解約制限付信託とは】

解約制限付信託とは、万一名義人になにかあった場合に備えて、

解約や払い出しを簡単にできないように設定された商品のことを言います。


日本は高齢社会となり、高齢者を狙った詐欺被害が横行しています。

高齢になると、判断能力が低下しますので、認知症まではいかなくても、

瞬時の判断能力が劣り、

正しい判断ができなくなってしまうことも多くなります。

そうした時に、振り込め詐欺などの詐欺にかかりやすくなってしまうのだと思いますが、

そうした時にも大事な資産を

持っていかれることがないように作られたのがこの商品、信託口座です。


【何が普通の預金口座と違うのか】

では、どこが一般的な預金口座と異なるのかというと、

名義人本人ですら、簡単に解約や払い出しができないといった点です。

具体的には、名義人ともう一人、

契約時に指定した3親等内の親族の同意が必要となります。

※銀行によっては、司法書士など専門家の同意を必要とする口座もあります。


名義人ともう一人の同意があって、初めて払い出しや解約ができるので、

万一詐欺の手に陥りそうになっても、回避することができるでしょう。

払い出しについては、口座の契約内容によって、

生活費として定期的に定額を払い出ししてもらうよう設定できるものがあります。

 

厳しい契約となる場合は、親族の同意があっても、老人ホームの入居一時金か、

10万円以上の医療費に充てる以外、

払い出しができないようになっているものもあります。


なお、名義人が亡くなった際は、もちろん相続手続きをきちんと行うことで、

通常の預金口座と同じく解約や払戻しを受けることができます。

あくまで、名義人が健在の間には厳しい制限がかかるということです。


【どこで契約ができるのか】

現在、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行の

3つの信託銀行で契約をすることができます。

3行それぞれ、管理手数料や特徴、解約の手続きのやり方等異なりますので、

気になる方はそれぞれ確認し比較されるとよいでしょう。


【口座を開設する条件】

以下が口座を開設する際の主な条件となります。

  • 契約者(名義人)となる方が、日本国内居住の方であること
  • 契約者(名義人)の3親等内の成人である方、または司法書士等専門化が同意者となること
  • 最低500万円以上預け入れできること(銀行により1千万円以上、3千万円以上と異なります)

※申し込みをする銀行によって、上記条件以外もある場合があります。詳しくは直接銀行へお尋ねください。


預け入れする下限金額は、三井住友信託銀行が一番低く、

500万円以上となっています。

つまり、500万円以上預ける資金がなければ、

どの銀行でも口座開設ができないということです。


【口座を開設するメリットとデメリット】

口座を開設するメリットは冒頭でもご説明したとおり、万一の時に備えられる点です。

両親が遠方で、なかなか様子を知ることができない方、

高齢でいつ呆けてしまってもおかしくないと懸念されている方は、

両親の資金状況にもよりますが、

余っているお金があればこの信託口座を開設しておくことで、

第三者から守ることができますので、安心できる点が最大のメリットでしょう。


デメリットとしては、解約に制限があることです。

ただし、名義人と契約時に同意者とされた方が二人で申請をすれば解約はできますので、

そこまで大きなデメリットとは言えないかもしれません。

その他は、契約する銀行によって管理手数料がとられてしまうといった点でしょうか。

特に使わないお金が500万円以上ある方については、

自分の万一に備えて、検討されても良いのではないでしょうか。


ちなみに、普通の預金口座でも、

銀行に相談することによって

一定の払い出し制限をかけることも可能なケースがあります。

信託口座まではいいかな・・・と思っても、

制限をかけることを検討したい方は一度、預金口座がある銀行に

確認されるのもよろしいかと思います。

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