成年後見人は親族が望ましいと最高裁見解

『相続・遺言ここだけの話』メールマガジンバックナンバー(2019年7月30日)

成年後見制度をご存知でしょうか。

成年後見制度とは、認知症や精神障害等から

判断能力に問題があるとされる方において、

法的行為を行う代理人を定める制度のことを指します。

その代理人に定められた人が成年後見人、保佐人や

補助人(以下、成年後見人等)となります。

成年後見人等代理人が正式に選任されると、

その後の財産管理は主にその成年後見人等が担っていくことになります。


認知症を患ったとしても、ご親族が同居されていて、

日々の生活に特に支障を生じないようであれば、

この成年後見制度を利用することもないかもしれません。


ただ、たとえば相続が発生した際に、

こうした方が相続人の中に一人でもいると、

判断能力がない状態で相続人として署名捺印をしても法的効力をもたないため、

成年後見制度の利用が必要となってきます。

そうした際にはじめて、成年後見制度の利用を検討する方が多いでしょう。


この成年後見制度ですが、2000年に創設された制度で、比較的新しい制度です。

高齢社会となる近年、この制度が創設されてから、

利用者は年々増加し、少しずつニュースになることも多くなっています。

その一方で、この制度を悪用し、親族だけではなく、

弁護士等の専門家が就任しているにもかかわらず、

成年後見人による金銭の使い込みが発覚する不祥事も相次いで起きています。


そのため、年々制度が厳格化され、最近では、一定の財産上限を超えると、

弁護士等の専門家が成年後見人として就任するほか、

成年後見人監督人といって、

成年後見人とは別にその成年後見人を監督するための専門家も

就任しているケースが増えています。


そうした場合、実質的に財産管理をするのは成年後見人ですが、

後見人の行為を監督人も監視することになり、

不祥事が起きないように対策しているということになります。


管轄となる裁判所によっても異なりますが、

東京に関して言えば、保有する財産総額が1,000万円を超える方の場合、

ご親族の方が成年後見人に就任したとしても、

多くのケースで別途、成年後見人監督人として弁護士や司法書士等の専門家も

あわせて就任するケースが多くなりました。


私のような司法書士が成年後見人に就任している場合でも同じように、

別途司法書士や弁護士の成年後見人監督人が就任するケースも増えていたのが現状です。


ところが先日、最高裁の見解として、

「身近な親族を選任することが望ましい」との考えを示しました。

これまでの流れから、「不正を防ぐためにできるだけ専門家の選任」を

推奨していると思われていた裁判所の傾向を鑑みると、真逆の見解とも言えます。

この見解が公表されたことで今後、成年後見人は専門家ではなく親族へ、

と方向転換して流れが進んでいくのかもしれません。

当事務所は、成年後見制度の利用に伴う申立手続き等もご依頼を承っております。

もし気になる方はぜひ一度、ご相談ください。

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