昔作った銀行口座で今は全く使っておらず
「放置」しているものはありませんか?
同じ銀行に2つ以上の口座がある場合、
古いものを忘れている方が多いので要注意です。
相続の際、中身が数円だけでも口座があれば立派な「相続財産」。
原則、解約するには相続人全員の印鑑が必要となってしまいます。
遺言書があっても受遺者が単独で預金を取得できなくなるリスクが発生するのです。
今回は銀行口座を放置して
相続人に迷惑をかけてしまうパターンと対処方法を解説します。
相続対策が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
昔作った古い口座の存在など、普段は忘れて生活しているでしょう。
このように古くて忘れられている口座を「休眠口座」といいます。
相続時には、古い休眠口座が
トラブルのもとになる可能性があるので注意しなければなりません。
たとえば被相続人AさんがB銀行で2つの預金口座(X口座とY口座)を
持っていたとしましょう。
ご本人は昔作ったY口座の存在をすっかり忘れており、
X口座のことしか頭にありませんでした。
Y口座には3円程度しかお金が入っていない状態です。
Aさんは「B銀行のX口座預金を長男に相続させる」
と遺言書を書きました。
Aさんの死亡後、長男が遺言書をもって金融機関へ行き
「X口座預金の解約払戻を受けたい」と申し出ると、
金融機関は以下のように答えます。
「その方にはY口座もありますね。
こちらについても同時に手続きしていただく必要があります。
Y口座については遺言がないので、
相続人全員の実印による署名押印と印鑑証明書が必要です。」
つまり遺言書があるにもかかわらず、
長男はX口座の預金を受け取れなくなってしまうのです。
他の相続人全員にお願いして
署名押印と印鑑登録証明書を集めなければなりません。
大変な手間になりますし、
協力してくれない相続人がいたらさらに大きなトラブルになるでしょう。
最終的には調停や審判になってしまう可能性もあります。
自分の預金口座を正しく把握できていない可能性があるなら、
金融機関へ問い合わせてすべての口座を開示してもらいましょう。
特に「同じ銀行で2つ以上の預金口座がある場合」に注意が必要です。
・昔取引していた心当たりのある金融機関
・独身時代、旧姓の頃に作った口座
・引っ越し前に使っていた口座
・事業を行っていたときに使っていた口座
こういったものを忘れがちなので注意しましょう。
また遺言書を書くときには、
「〇〇銀行のすべての口座を相続させる」と記載するようお勧めします。
そうすれば「こちらの口座については指定がないので相続人全員の署名押印が必要」
といわれるリスクが低減されるでしょう。
相続対策を誤ると重大なトラブルが発生するリスクが高まります。
不安を感じる場合には、お気軽に司法書士までご相談ください。
休眠口座があると相続財産として処理しなければならず、費用がかかったり大変なケースもありますので、気づいたら生前に対応をしておきましょう。
司法書士は不動産と相続の専門家です。
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