依頼人:二女
被相続人(亡くなった方):父
法定相続人:妻、長女(アメリカ在住で日本に一時帰国中)、二女(依頼者)、長男の計4名
主な相続財産:不動産(茨城県の自宅)
預貯金(金融機関3行)
相続手続期間:約6カ月
・亡くなった父の子には、長女と二女(依頼者)のほか、先妻との間に長男がいる。
・母、長女、二女は先妻の子(長男)とは面識がなく、連絡先も全く分からない状態である。
・長女は現在アメリカに居住しており、里帰りで日本に一時帰国している。
なお、日本には2週間ほど滞在の予定で、滞在機関を延ばすことは事情により困難な状況である。
・二女は父の死去に伴い、弊所に相続手続きの相談に訪れました。
長女はアメリカ在住で、書類を気軽にやり取りできる状況ではありませんでしたが、長女の日本滞在中に必要な書類を準備できないか、また、疎遠な相続人とともに円満に相続手続を終えられないかという趣旨の相談でした。
このような限られた時間内で手続きを完了するために、日本の公証役場の手続きを利用し、見事に対応した事例をご紹介します。
長女は2週間後にアメリカへ帰国する予定で、日本に滞在する間に相続に必要な書類をそろえる必要がありました。
というのも、通常、海外在住の相続人様には現地の領事館等で、在留証明書やサイン証明書といった特殊な書類をそろえていただく必要があるのですが、長女は現地領事館からは遠方の場所に住んでおり、また仕事も忙しく、現地で書類をそろえることが非常に困難な状況だったのです。
以上の事情から、今回は日本の公証役場にて公証人の面前で遺産分割協議書に署名する方法を選びました。
この方法により、長女は遺産分割内容に確かに同意したという公証人の認証を受けることができ、サイン証明書の添付と同じ効力を持つことができます。
長女の日本滞在中のフットワークの軽さが、アメリカ帰国後の面倒な手続きを省くことにつながったのです。
疎遠な相続人にも遺産分割の協議に参加してもらわなければ!
上記のように、長女は日本滞在中に遺産分割協議書へ公証人の認証を受けることができましたが、相続手続きを進めるためには、遺産分割内容について相続人全員の同意を得る必要があります。
長女と二女は普段から連絡を取り合っており、遺産分割内容に異論はなかったのですが、疎遠な関係の長男はどうでしょうか?
もし長男が遺産分割内容に同意しない場合、遺産分割協議は成立しないため、長女の努力も水泡に帰してしまいます。
相続人同士の誠意ある対応と思いやり
母、長女、二女は長男の存在は知っており、長男が小さい頃に父と別れてしまった事情も承知していました。
このような事情から、長男にもちゃんと遺産を遺してあげたいと思い、遺産分割内容は平等な内容を考えていました。
二女から長男へ急いでお手紙を出し、遺産分割内容を伝えた結果、長男からも丁寧なお礼の返事と、喜んで遺産分割内容に同意する旨の連絡をもらいました。
結果、長男にも遺産分割協議書に署名・捺印をもらえ、無事にすべての相続書類をそろえることができました。
そろえた書類を各手続機関に提出し、後日無事に相続手続きは完了しました。
思えば、相続人全員のフットワークの軽さと思いやりの心がなければ、短い時間内での手続きの完了は不可能だったと思います。
相続手続きには相続人皆様のご協力が何よりも必要なのだとつくづく思わされた案件でした。
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