2024.5.18更新

所有不動産記録証明制度について
                       令和8年2月2日施行

これまで被相続人所有の不動産について調査をする場合、

・不動産の権利証(登記識別情報通知)を確認する

・毎年春先に届く「固定資産納税通知書」を確認する

・不動産の所在地がある市区町村(東京都の場合、都税事務所)の名寄帳を確認する

・登記上の情報(登記事項証明書や公図等)を確認する

といった方法をとって確認を行っていました。

どこに不動産があるのか、全く情報がない場合、一括調査をする機関がないため、相続人がある程度あたりをつけて、市区町村や法務局に照会をかけて確認するケースもあります。しかしながら、あたりをつけても見つからない場合、その不動産は長年手続きがされず放置されたままになっていることが、よくあります。

相続登記の義務化に伴い、そうした相続人の負担を減らすべく、被相続人名義の不動産を把握しやすくすること、私道等の登記漏れを防ぐことを目的として、「所有不動産記録証明制度」が設立されることになりました。 

請求できる人
  • 不動産の名義人本人
  • 不動産の名義人の相続人
  • 不動産の名義人またはその相続人から委任を受けた代理人
    ※代理人による取得は、代理人の範囲等まだ未確定です。

    交付手数料は、現時点では未定となっています。

 

今後、生前対策を検討する際にも利用できますし、相続発生後、縁遠かった被相続人の財産調査を行う上でも、これまでとは格段に容易になりますので、利用価値はあるものと思います。

所有不動産記録制度における注意点

  • 1
    住所や氏名が最新の情報で記録されているか?
    転居する都度、きちんと住所変更をしていないと、一括調査をしても、別人格として記録が出てこないことになります。
    また婚姻等の理由から氏名に変更があった場合も同様です。
  • 2
    きちんと相続登記をしているか?
    不動産を相続していても、きちんと法務局において名義変更手続きをしていなければ、先代名義のまま残っていて、調査結果に反映されないこともあります。
  • 3
    建物の登記をしているか?(未登記家屋ではないか?)
    所有不動産であっても、きちんと登記されていない建物(未登記家屋)の場合は、調査しても結果に反映されません。
    未登記家屋かどうか確認したい場合は、毎年春頃に届く固定資産納税通知書に「家屋番号」と書かれた項目がありますので、そちらをご確認ください。家屋番号の項目欄に何も記載がない場合は、未登記家屋となります。

    相続で登記が漏れやすい土地とは

これまで、下記のような不動産は、相続登記漏れが発生することがありました。

・固定資産税が非課税の場合(田畑や山林、公衆用道路等)

・大多数で共有名義で所有している場合(田畑や山林、公衆用道路等)

 

今回の「所有不動産記録証明制度」によって、今後少しでも相続登記漏れがなくなるといいですね。

なぜ、相続登記が義務化されるのか?

2017年の国土交通省の調査では、全国の土地の2割で誰が所有者なのか分かっていない状態です。

所有者不明になってしまう多くの理由が、相続登記がきちんと行われていないためです

その割合としては66%もあり、何年も前から社会問題にもなっています。

実際に法案が可決され、施行されるとなると、所有者不明となって放置されている多くの不動産の管理の所在が明らかになり、現所有者に対する管理費や税金等の請求や、所有者不明のために進められなかった公共事業への活用等につながっていく見込みです。

相続登記の今後の対策方法

義務化される、されないにかかわらず、相続登記をしなかった場合、将来的に不利益を被る可能性が考えられます。

そのため、相続発生後は速やかに相続登記をすることが対策となります。

相続登記や住所変更登記が義務化され、今後はより、登記手続きが身近なものになるかと思います。

現時点でまだ相続登記が行われていない不動産があれば、今のうちに相続登記をしておくことで、次の相続が発生した際に対応しやすくなります。

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東京国際司法書士事務所 代表司法書士 鈴木敏弘が監修

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