父が亡くなり、相続人は私を含めた子供3人です。
生前、父の面倒は私がずっと診てきました。
妹と兄がいるのですが、兄は父の面倒は全くみていませんでした。
入退院を繰り返していたので、入院中の面倒や自宅療養の際にも私はずっと付きっきりで看病をし、自分の家族(夫や子供)と過ごす時間を犠牲にしてきました。
入院費などの高額なものは父の口座から引き落としされていたのですが、父の預貯金にはなるべく手をつけないようにしていたので、自宅療養中に使用する治療器具の購入や日用品などの生活費は私の収入から支払っていましたが、それを証明できる領収書は保管していません。
このような生活を10年間送っていたので、私の持ち出し分はある程度の金額に達していると思います。
そのため、父の相続の遺産分割で私と兄が同じ相続分というのが納得いかない気持ちがあります。妹は私が看病してきたことを考慮してくれて、自分の相続分は少なくていいと言ってくれていますが、兄は法定相続分を主張してきます。
兄弟なので揉めたくありませんが、私が10年間費やした時間やお金について寄与分として認められないのでしょうか。
今回のケースでは、裁判となった場合でも寄与分の主張が認められる可能性は低いです。
その理由としてあげられるのが、次の点です。
・領収書などの証明書類がない
・一般的な親の看護、介護は寄与分として認められない
▲寄与分とは
寄与分とは、被相続人が生きていた時に、被相続人に対してより多く貢献していた相続人に対し、法定相続分以上の財産を取得させようとする制度のことです。
この“多く貢献していた”という点について考えなくてはいけません。
親子関係には扶養義務というものが生じます。そのため扶養義務者に対する看護、介護は法律上では当たり前のこととされてしまい、“多く貢献していた”ことに含まれないのです。
では、今回のように3人の子供がいて、1人だけが多くの時間を看護、介護に費やし、他の子供は全く協力しなかった場合については配慮されるのかというと、残念ながら配慮されないのです。不公平ではありますが、1人だけが親の面倒をみていても法定相続分には影響されないのです。
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