相続放棄して他の相続人に自分の相続分を
    譲渡できると思ったら大変なことに!

相続放棄した人の相続分は誰のもの?

相続放棄をしたら自分の相続分はどうなるのでしょうか。

相続放棄すると法的な相続人としての権利がなくなり、初めから相続人ではなかったものとして扱いますの。例えば、【父、母、長男、二男】の家族関係で、父親が亡くなった場合、【母、長男、二男】が相続人となりますが、長男が相続放棄すると最初から長男はいなかったものとして【母、二男】が相続人ということになります。

そのため、自分の相続分はいらないから母親に多く相続してほしいと思って相続放棄しても、初めから相続人ではなかったものとして扱われますので、複数いる相続人の中で特定の人(母)に渡すということはできないのです。

長男が相続放棄することで相続分がどのように変化するかというと

   

   【元の相続分】

      母(2分の1)              母(2分の1)

     長男(4分の1)  長男が相続放棄⇨ 

     二男(4分の1)             二男(2分の1)

        

 

このように長男が相続放棄しても母親の相続分は変わらないのです。

自分は相続しなくてもよいからと相続放棄してしまうと予想外なことがおきてしまうことがあります。

実際にあった相談事例についてご紹介します。

相談内容

先日、父が亡くなりました。母は数年前に他界しており、相続人は私(妹)と兄、兄弟2人だけだと思っていました。

父親の相続財産は、不動産(実家)とほんの少しの預貯金です。

兄はずっと親の介護をしていたので、相続財産はすべて兄に渡してあげたいと思い、相続放棄をすれば自分の相続分を兄に渡せると思い、家庭裁判所で相続放棄の手続きをしました。

後日、兄が相続手続きを進めるのに司法書士へ依頼したところ、父に前妻がいたことがわかり、その方との間に子供が1人いることがわかりました。

父が再婚だったことも自分たち以外に子供がいたことも生前に聞いたことは一度もありませんでした。

相続手続きを進めるためには、相続人であるもう一人の子供からも署名捺印が必要になり、協力を得られないと相続手続きは進められないと言われました。

相続人であるもう一人の子供と連絡がとれて父親が亡くなったことを伝えると、その人は自分の相続分は相続人として相続したいとのことでした。

もともと相続人3人だったので相手の相続分は3分の1だったのですが、妹が相続放棄したことにより相続人2人となり、相手の相続分は2分の1と本来よりも相続分が増えてしまい、せっかく妹が私に相続してほしいと相続放棄してくれたのに、台無しになってしまいました。

最初から専門家に相談して相続手続きを進めればよかったと後悔しています。

このように、相続放棄することで自分以外の相続人の相続分が増える他、相続放棄することにより相続関係そのものが変わってしまい、本来相続人ではなかった人が相続人となる場合もあります。

たとえば、このような場合

家族構成【父、母、子供1人】

母が亡くなり、子供1人が相続放棄すると、最初から子供がいない夫婦としての相続関係になります。

子供がいない夫婦の相続人は、【配偶者と両親】です。

両親がすでに他界していると、【配偶者と母親の兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪)】が相続人となります。

そのため、子供が相続放棄することで新たな相続人が出現し、相続人の人数も増えて余計にややこしくなります。

 自分の相続分を他の相続人に渡したいからといって、安易に相続放棄はおすすめしません。専門家へ相談するのがよいでしょう。

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この記事の監修について

東京国際司法書士事務所 代表司法書士 鈴木敏弘が監修

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そのため、相続手続きで分からないことがたくさんあると思います。当サイトが参考になれば幸いです。

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