2025.8.22更新

寄与分が認められる場合とは

扶養範囲を超える看護や介護、費用負担をしていたということであれば、その主張が認められるケースもありますが、裁判で主張するには扶養範囲を越えていたことを証明することが必要です。

寄与分を主張する裁判になったときには、扶養範囲を超えていたことの証言や証明書類の提出が求められます。

負担した費用に関しては、領収書の保管などで証明することができますが、費やした時間についての証明は難しく、一緒に生活していた場合は自分の生活時間と一緒になってしまうので、介護に費やしていた時間だけを証明するのはより一層困難と言えるでしょう。

そのため寄与分は認められにくいものであり、主張したいという方は長期間の裁判を覚悟される必要があるでしょう。

令和5年4月1日から
「寄与分」の主張に期限が設けられました!!

令和3年4月に民法が改正されたことにより、相続開始から10年経過している場合は寄与分の主張が認められなくなり、原則、【法定相続分】もしくは【遺言で指定された相続分】で相続するという法律に見直されました。

遺産分割協議がまとまらない理由として、「寄与分」や「特別受益」の主張があるケースは多いと思います。

先延ばしにしている相続手続があり、「寄与分」や「特別受益」の主張を考えている場合は、今回期限が設けられましたので、できるだけ早く手続を進めるのがよいでしょう。

相続人全員が同意すれば問題ない

主張できる期限が過ぎてしまった場合でも、相続人全員が同意すれば、法定相続分以外の方法で相続も可能です。

主張する期限が設けられたのは、あくまでも法的な場(裁判手続上)のお話です。

相続発生から10年以上経過している場合でも、相続人同士で円満に分割協議ができるのであれば、好きな分け方で相続することができます。

2つの例外

次の2つのケースは、期限を過ぎても主張ができる例外となります。

1.相続人が相続開始から10年を経過する前に家庭裁判所に遺産分割の請求をしたとき

2.相続開始後、10年経過する前の6ヶ月以内に遺産分割の請求をすることができない
やむを得ない事由がある場合において、その事由が消滅してから6ヶ月以内にその相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をしたとき

令和5年3月31日よりも前に開始した相続も対象です

法改正が施工された令和5年4月1日時点で、すでに相続開始後10年経っているケースも対象となるのですが、経過措置として、施工日(令和5年4月1日)から5年間の猶予期間が設けられました。

相続開始から10年経過する日が、猶予期間中(令和5年4月1日~令和10年4月1日)に重なる場合は、令和10年4月1日が期限となります。

施工日より少し前に相続が開始した場合(令和4年5月1日に相続開始)は、相続開始から10年経過する日(令和14年5月1日)が期限となります。

生前対策でできること

生前対策は、自分が亡くなったときの準備だけではありません。

自分が相続人になる場合でも生前対策した方がよい例もあります。

寄与分を主張されたいという方からのご相談から多く感じることは、亡くなられてから主張したいけれどどうしたらいいのか考え始める方が多いということです。

もちろん、介護中は忙しくてそんなこと考えられないという方が大半かと思いますが、亡くなられてからでは遅いのです。

「寄与分として認められる方法」というものはありませんが、生前に準備することによって、認められる可能性を高めることはできます。

また、生前に献身的に介護をしてくれた相続人に対して多くの財産を相続させたいという方には遺言書を作成することが解決することが可能です。

当事務所では生前対策につきましてもご相談を承っております。

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この記事の監修について

  • 東京国際司法書士事務所 代表司法書士 鈴木敏弘が監修

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