2024.5.29更新

父の遺産をすべて母に相続させるためには
      子ども全員が相続放棄すればいいのか?

相続放棄の性質は、特定の被相続人(亡くなった方)について行うものなので、子どもが父の相続放棄をしたからといって、母が亡くなったときに母の遺産を相続できないということではありません。

そうであれば母が亡くなった場合には子どもは母が相続した父の遺産も最終的には相続できることになり、父の相続の際に母に全ての遺産を相続させるために子どもが相続放棄を行うのが合理的な方法と思われるかもしれません。

実際に、上記のような意図で、家庭裁判所での正式な相続放棄をしたいので手続きをお願いしますと言ったご依頼やご相談のご連絡を受けることも多くあります。

 

しかし、法定相続人について以下の第一順位~第三順位の組み合わせを見ていただければ、上記の手続方法には重大な落とし穴があることが分かると思います。

つまり組み合わせとして配偶者は常に相続人となりますが、子ども全員が相続放棄をすれば、法律上、「そもそも相続人ではなかった」ことになるため、直系尊属が相続人となり、また、直系尊属が相続放棄をしたり既に亡くなったりしている場合には、兄弟姉妹へと順番に相続人が移っていくことになってしまいます。

このように、相続放棄を行うと相続人に変動が生じるため、自身が相続すべき遺産を母に相続させたいという意図で相続放棄を行ったにも関わらず、知らぬ間に被相続人から見た兄弟姉妹が新たに相続人となってしまい、遺産が分散するだけでなく、揉め事の種にもなりかねません。

一般に母に遺産を相続させるために子どもは権利を放棄すると言ったような意味合いでの、相続放棄と混同される方が多くいらっしゃいますが、このような場合には相続人全員(母と子ども)の合意により遺産分割協議書を用意することで母に遺産をすべて相続させることができます。

遺産分割協議書」であれば家庭裁判所への相続放棄の申立てなども不要ですし、手間や費用も相続放棄に比べればかかりません。

 

 当事務所の相続おまかせパック相続登記パックともに相続手続きで使用する遺産分割協議書の作成もパック料金内で対応しておりますのでご安心ください。

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